*中日貿易協定について

*中日租税条約と源泉課税された受取配当に対する外国税額控除について

*中日租税条約における"みなし"間接外国税額控除適用期限の終了問題

*外国人に対する給与の源泉所得税(日本)

*中華人民共和国企業所得税法

*中華人民共和国企業所得税法実施条例

*中華人民共和国外資企業法

*中華人民共和国労働契約法

 

中日貿易協定について
(日本国と中華人民共和国との間の貿易に関する協定)


1. 署名から効力発生まで

1974年 1月5日  北京で署名
同年 4月26日   国会承認
同年 5月24日   北京で承認通知書交換 
同年 6月15日   交付同日告示
同年 6月22日   効力発生

2. 協定全文

 日本国政府及び中華人民共和国政府は、1972年9月29日に北京で発出された両国政府の共同声明に基づいて、従来の民間の貿易関係によって積み上げられてきた成果を尊重し、両国間の貿易を平等互恵の原則の基礎の上に一層発展させ、両国間の経済関係を強化することを希望し、友好的な協議を経て、次のとおり協定した。

第1条

  1 両締約国は、輸出入物品に関するすべての種類の関税、内国税その他の課徴金及びこれらの税その他の課徴金の徴収の方法並びに通関に関する規則及び手続について、相互に最恵国待遇を与える。
  2 第1項の規定を適用する場合の物品に関する要件は、各締約国が第三国に最恵国待遇を与える場合の要件と同一のものとする。
  3 第1項の規定は、いずれか一方の締約国が国境貿易を容易にするため隣接国に与える特別の利益には適用しない。

第2条

 各締約国は、一時的にその両域に持ち込まれ、かつ、その領域から持ち出される他方の締約国の次の物品に対し、関係国内法令に従い、関税、内国税その他の課徴金の免除に関して最恵国待遇を与える。
 (1) 商品見本(ただし、貿易慣例上一般に商品見本として通用する数量に限る。)。
 (2) 試験用及び実験用の物品
 (3) 展覧会、見本市及び共進会に出品される物品
 (4) 組立工が設備の組立て及び取付けに用いる器具
 (5) 加工又は修理される物品及び加工又は修理に必要な材料
 (6) 輸出され又は輸入される貨物の容器

第3条

 いずれの一方の締約国も、他方の締約国の物品が当該一方の締約国の領域を通過して第三国の領域に運送される際、通過に関連するすべての種類の関税、内国税その他の課徴金並びに規則及び手続に関し、当該運送中の物品に対し、最恵国待遇を与える。

第4条

  1 両締約国間のすべての支払は、それぞれの締約国の外国為替管理に関する法律、規則及び命令に従い、日本円、人民幣又は両国において認められている交換可能な通貨で行うものとする。
  2 両締約国は、1に規定する日本円又は人民幣による支払が行われる際、両国の関係銀行間の決済業務に関する取極が、それぞれの締約国の関係法令に従って、有効に運用されることを歓迎する。
  3 いずれの一方の締約国の法人(外国貿易機構を含む。)及び自然人も両締約国の領域の間における支払、送金及び資金又は金銭証券の移転に関して、並びに他方の締約国の領域と第三国の領域との間における支払、送金及び資金又は金銭証券の移転に関して、いかなる第三国の法人(外国貿易機構を含む。)及び自然人に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えられる。

第5条

 両締約国間の貿易は、日本国の法令に基づき外国貿易を行うことができる法人又は自然人と中華人民共和国の法令に基づき外国貿易を行うことができる外国貿易機構との間で平等互恵の原則に従い、かつ、適正な国際市場価格を基礎として締結される契約に基づいて行われるものとする。

第6条

 両締約国は、両国間の経済貿易関係を一層発展させるため、平等互恵の原則に従い、産業に関する技術交流を積極的に促進する。

第7条

 両締約国は、両国の間で相互に貿易に関する展覧会が開催されることを奨励する。各締約国は、自国におけるそれらの展覧会の開催につき、関係国内法令に従い、できる限りの支持を与える。

第8条

  1 両締約国は、日本国の法人又は自然人と中華人民共和国の外国貿易機構との間に締結された商事契約から又はこれに関連して生ずる紛争については、まず当事者間で友好的な協議によって解決するよう奨励するものとする。
  2 紛争を協議によって解決することができない場合には、当事者は、仲裁条項に基づき、仲裁に付することができる。仲裁条項は、契約の双方の当事者により、契約自体に又は契約に関連する別固の約定に規定される。
  3 両締約国は、当事者による両国の仲裁機関の利用をあらゆる可能な方法によって奨励するものとする。
  4 両締約国は、仲裁判断について、その執行が求められる国の法律が定める条件に従い、関係機関によって、これを執行する義務を負う。

第9条

 両締約国は、この協定の実施状況及び両国間の貿易に関連する問題の検討(両国間の貿易関係の見通しについての意見交換を含む。)を行うこと及び、必要な場合には、両締約国の政府に対し適当な勧告を行うことを目的として、両締約国の政府の代表から成る混合委員会を設置する。混合委員会は、少なくとも毎年1回、東京又は北京で交互に会合する。

第10条

  1 この協定は、その効力発生のために国内法上必要とされる手続がそれぞれの国において完了したことを確認する旨の通告が交換された日から30日目の日に効力を生ずる。この協定は、3年間効力を有するものとし、その後は、第2項の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。
  2 いずれの一方の締約国も、3箇月前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の3年間の期間の満了の際又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
    1974年1月5日に北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書2通を作成した。

    日本国政府のために 大平正芳
    中華人民共和国にために 姫鵬飛

  3. 協定の暫定実施に関する交換公文

    (1)日本側書簡
        書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日署名された日本国と中華人民共和国との間の貿易に関する協定に関し、日本国政府に代って、両政府間で到達した次の了解を確認する光栄を有します。
        同協定が発効するまでの間、両政府は、1974年1月10日以降それぞれの国内法上の権限の範囲内で、同協定の規定を暫定的に実施するものとする。
        本大臣は、閣下が前記の了解を貴国政府に代って確認されることを要請する光栄を有します。
        本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
            1974年1月5日
            日本国外務大臣 大平正芳
            中華人民共和国外交部長 姫鵬飛閣下

    (2)中国側書簡
        (訳文)
        書簡をもって啓上いたします。本部長は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
        (日本側書簡)
        本部長は、閣下の書簡に述べられた了解を中華人民共和国政府に代って確認する光栄を有します。
        本部長は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
            1974年1月5日
            中華人民共和国外交部長 姫鵬飛
            日本国外務大臣 大平正芳閣下

(参考)
    この協定は、我が国と中国との間で関税、支払通貨、貿易活動等に関する待遇について定めたものである

 

 

    中日租税条約と源泉課税された受取配当に対する外国税額控除について


    中国にある現地法人(出資先)から配当金送金を受ける時の、中国側での課税はどうなりますか。又、日中租税条約が適用になると聞きましたが、租税条約とは何ですか。更に、日本側で受ける外国税額控除についてご紹介します。


1. 租税条約とは

    租税条約とは、「所得に対する租税に関する二重課税の回避および脱税の防止のための日本国と××国との間の条約」を言い、日本は、現在50ヶ国近くの国々とこの種条約を結んでいます。この条約のことを一般に「租税条約」あるいは「所得税条約」と呼んでいます。


2.租税条約の役割

     国毎に税制が違います。そこで二国間で、この違いをできるだけ調整し、同じ所得に対して同じ種類の租税が、二つの国で課税され生じることになる二重課税を排除しようとするほか、二国間での脱税をお互い防止しあう為の協力、また、条約上の問題が生じた場合には相互に協議を通じて問題解決を図る努力をすることを約束し合っています。

3.二重課税排除の方法

    所得の生じる国での課税を制限したり、適用される税率を引き下げたり、所得の概念を統一したり、また、それでも生じることとなる二重課税部分については、一定のルールでこれを排除−税額控除−する方法などで、二重課税を調整することとしています。

4.中国での配当に対する課税と租税条約配当条項

    中国に設けられた外資現地法人からの配当は、原則、20%の税率による源泉徴収がなされることになっています。この20%は、日本の企業が受け取る時には、上記の租税条約で10%に軽減される(条約10条)ことになっています。ところが、外商投資企業及び外国企業所得税法の19条では、この配当先が外国にある企業である場合には、この源泉徴収所得税を免除することとしていますので、中国から日本に送られてくる配当には日中租税条約の10%に代えて、納税者に有利な中国国内法の免税が適用されることとなります。


5.日本での二重課税救済−外国税額控除とみなし外国税額控除


    中国から受け取った配当は、日本で税引き前の配当が課税対象となり、日本で納めることとなる税額から中国で源泉徴収された税額が、日本での税額から控除−税額控除−されることとなりますが、この場合、中国では課税されないこととなっていますので、控除できる税額がありません。このままだと、中国で免税されたものが、日本で課税となり、中国の免税恩典措置が企業に還元されないこととになります。そこで、免除された10%を中国で納めたものと「みなし」て日本での税額控除の対象とすることを、日中租税条約(23条3項)に決められています。これを「みなし税額控除」と呼んでいます。日中租税条約では、このみなし税額控除制度が創設的に採用されています。


6.間接税額控除

    中国の子会社から支払われる配当は、元来、中国での企業所得税課税後の配当可能利益から支払われます。上記の税額控除は、配当そのものに対する税ですが、この配当は、子会社の支払った企業所得税を負担しています。親子関係が濃密な場合には、子会社負担の租税は親会社の負担したのと同じと見ることができます。そこで、子会社を通じて間接的に負担している税額も、税額控除の対象とすることとされています。これを、「間接税額控除」と呼んでいます(日中租税条約23条2項)。

7.みなし間接税額控除

    前記、間接税額控除にあたり、中国での税負担について、実税負担のほか、子会社が中国での租税優遇措置を受け、軽減、免除された税額相当部分につ控除」と呼んでいますが、日中租税条約では、これの適用も認められています(23条2項&4項)。ただし、同租税条約に係わる両国政府の交換公文の定により、適用期限がありますので、ご留意ください。


    以上、「所得に対する租税に関する二重課税の回避および脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」(日中租税条約)を中心に説明しました。

(注)なお、日中条約は、「国」に代えて「政府」、「条約」に代えて「協定」との用語を使用していますが、通常の条約と何ら変わるところはありません。

 

中日租税条約における"みなし"間接外国税額控除適用期限の終了問題
 

    日中租税協定の交換公文に定める「みなし間接外国税額控除」の適用期限が今年末で終了します。従来、中国の現地法人が利益に対して企業所得税の減免を受けた場合、日本ではそれがなかったものとみなして、法人税等から減免されない場合の配当所得税額を控除することが認められていましたが、これが延長されないと、来年以降一部の企業はメリットを享受できなくなり、また、今後利益計上(配当)が期待される企業及び新たに中国に投資する企業はこのメリットを享受する期間が10年間に限定され、長期の税務メリットの享受を受けることができなくなります。この問題について、プライスウォーターハウスクーパースのシニアマネージャー?公認会計士である簗瀬正人氏にわかりやすく解説していただきました。

 


外国人に対する給与の源泉所得税(日本)


    経済のグローバル化に伴って、外国人労働者を雇用する会社も今や珍しくありません。
    この外国人労働者に対する源泉所得税は、居住者か否かの判定や租税条約等の関係で、日本人に対する源泉所得税とは異なる取り扱いとなっています。
    そこで、今回のFAX NEWSではこの外国人労働者に対する源泉所得税について整理してみました。
 
1.概 要

    来日外国人に対する課税は、本人が居住者に該当するか、非居住者に該当するか、により課税方法が異なります。

(1)居住者に該当する場合

    日本人の場合と同様に源泉徴収されます。したがって、「扶養控除等申告書」の提出の有無により甲欄、又は乙欄の月額表を使います(月給の場合)。
    日本人の場合もそうですが、複数の会社から給与を受けているなどの特別な理由がなければ、税率が低い甲欄が有利です。ただし、この場合には、必ず、給与を支払う前に「扶養控除等申告書」を本人から提出させ、会社に保管することが必要です。

(2)非居住者に該当する場合

    金額に関係なく一律20%の税率で源泉徴収されます。

2.居住者、非居住者の判定

(1)居 住 者 国内に住所を有するか、国内に引き続き1年以上居所を有する個人。
(2)非居住者 居住者以外の個人。

3.租税条約

     日本は、アメリカ、中国、韓国、シンガポールなどの主要貿易相手国との間に租税条約を締結しています。
     これらの国は一定の免税要件を設けており、その要件を満たし、「租税条約に関する届出書」を提出することにより、源泉所得税が免除されます。
     例えば、日中租税条約によれば、「中国の居住者であった者が、専ら教育を受けるために、日本に滞在し、その生計、教育のために受け取る所得」については日本の租税を免除することとなっています。  

 

                               中華人民共和国企業所得税法

                                 2007-04-24 10:09 商務部

                                                              中華人民共和国主席令第63号

【第1章 総則】

第1条

中華人民共和国国内において、企業とその他の収入を取得する組織(以下「企業」と総称する)は企業所得税の納税者として、本法の規定に基づいて企業所得税を納付するものとする。
個人独資企業、パートナーシップ企業には本法を適用しない。

第2条

企業は、居住者企業と非居住者企業に区分する。
本法における居住者企業とは、法により中国国内に設立された、或いは外国(地域)の法律により設立されたが、実際の管理機構が中国国内にある企業を指す。
本法における非居住者企業とは、外国(地域)の法律により設立され、実際の管理機構は中国国内にないが、中国国内に機構・場所を設立しているか、或いは中国国内に機構・場所は設立していないが、中国国内源泉の所得がある企業を指す。

第3条

居住者企業はその中国国内、国外源泉の所得について企業所得税を納付しなければならない。
非居住者企業は中国国内に機構・場所を設立している場合、その機構・場所において取得した中国国内源泉の所得、および中国国外で発生したが、その機構・場所と実質的に関連する所得について企業所得税を納付しなければならない。
非居住者企業が中国国内に機構・場所を設立していない場合、或いは機構・場所を設立しているが、取得した所得がその機構・場所と実質的に関連しない場合、その中国国内に源泉のある所得について企業所得税を納付しなければならない。

第4条

企業所得税の税率は25%とする。
非居住者企業が本法第3 条第3 項に定める所得を取得した場合は20%の税率を適用する。

【第2章 課税所得額】

第5条

企業は各納税年度の収入総額から、非課税収入、免税収入、各控除項目および補填することが認められる過年度の損失額を控除した後の残額を課税所得額とする。

第6条

企業は貨幣形式または非貨幣形式により各種源泉から取得した収入を収入総額とする。以下の収入が含まれる。
(1)物品販売収入
(2)役務提供収入
(3)財産譲渡収入
(4)株式利子、配当金等の権益性投資収益
(5)利息収入
(6)賃貸料収入
(7)特許権使用料収入
(8)受贈益収入
(9)その他の収入

第7条

収入総額のうち以下の収入は非課税収入とする。
(1)財政交付金
(2)法に基づき受け取った財政管理に組み入れられる行政事業性料金、政府関係基金
(3)国務院が規定するその他の非課税収入

第8条

企業で実際に発生した、収入の取得に関連する、原価、費用、税金、損失およびその他の支出を含む合理的な支出は、課税所得額を計算する際に控除することができる。

第9条

企業で発生した公益的寄付金支出は、年度利益総額の12%以内の部分を、課税所得額を計算する際に控除することができる。

第10条

課税所得税額を計算する際、以下の支出を控除することはできない。
(1)投資者に支払った株式利子、配当金等の権益性投資収益
(2)企業所得税税額
(3)税収滞納金
(4)罰金、科料および財産の没収による損失
(5)本法第9 条に規定する以外の寄付金支出
(6)賛助支出
(7)未承認の引当金支出
(8)収入の取得に関連しないその他の支出

第11条

課税所得額を計算する際、企業が規定に基づき計算した固定資産の減価償却費は控除することができる。
以下の固定資産は減価償却費を計算し控除してはならない。
(1)建物、構築物以外の使用に供していない固定資産
(2)オペレーティングリース方式で賃借した固定資産
(3)ファイナンスリース方式で賃貸した固定資産
(4)既に減価償却済みであるが継続して使用する固定資産
(5)経営活動と関係のない固定資産
(6)単独で価格を見積り、固定資産として記帳する土地
(7)その他の減価償却費を計上し控除してはならない固定資産

第12条

課税所得額を計算する際、企業が規定に基づき計算した無形資産の償却費は控除することができる。
以下の無形資産は償却費を計算し控除してはならない。
(1)自ら開発した、支出を既に課税所得額の計算時に控除した無形資産
(2)自ら創造した暖簾
(3)経営活動に関係のない無形資産
(4)その他の償却費を計上し控除してはならない無形資産

第13条

課税所得額を計算する際、企業で発生した以下の支出で、長期前払費用として規定に基づき償却するものは控除することができる。
(1)既に減価償却済みの固定資産の改良支出
(2)リース固定資産の改良支出
(3)固定資産の大修理支出
(4)その他の長期前払費用とすべき支出

第14条

企業の対外投資期間において、投資資産の原価は課税所得額の計算時に控除してはならない。

第15条

企業が棚卸資産を使用或いは販売する場合、規定に基づき計算した棚卸資産原価は課税所得額の計算時に控除することができる。

第16条

企業が資産を譲渡する場合、当該資産の簿価は課税所得額の計算時に控除することができる。

第17条

企業が企業所得税を一括計算し納付する場合に、その国外にある営業機構の欠損を国内にある営業機構の利益と相殺してはならない。

第18条

企業で納税年度に発生した欠損は、以後の年度へ繰越し、以後の年度の所得をもって補填することができる。但し、繰越期間は最長5 年を超えてはならない。

第19条

非居住者企業が本法第3条第3項に規定する所得を取得した場合、以下の方法に基づきその課税所得額を計算する。
(1)株式利子、配当金等の権益性投資収益および利息、賃貸料、特許権使用料所得は、総収入額
をもって課税所得額とする。
(2)財産譲渡所得は、総収入額から取得原価を控除した後の残額をもって課税所得額とする。
(3)その他の所得は、前2 項に規定する方法を参照し課税所得額を計算する。

第20条

本章に規定する収入、控除の具体的な範囲、基準および資産の税務処理の具体的な方法は国務院財政部門、税務主管部門が規定する。

第21条

課税所得額を計算する際、企業の財務、会計処理方法が税収法律、行政法規の規定と一致しない場合は、税収法律、行政法規の規定に基づき計算し納税しなければならない。


【第3章 納付税額】

第22条

企業の課税所得額に適用税率を乗じて、本法の税収優遇措置に関する規定によって減免または控除される税額を減算した後の残額を、納付税額とする。

第23条

企業の取得した以下の所得について既に国外で納付した所得税額は、当期の納付税額から控除することができるが、控除限度額は当該所得について本法の規定に基づいて計算した納付税額とする。控除限度額を超過した部分は、以後の5 ヶ年度内に、各年度の控除限度額から当期の控除税額を控除した後の残額から追加控除できる。
(1)居住者企業の中国国外源泉の課税所得
(2)非居住者企業の中国国内に設立した機構・場所が取得した、中国国外で発生したが、当該機構・場所に実質的に関連する課税所得

第24条

居住者企業が直接或いは間接的に支配する外国企業から取得した中国国外源泉の株式利子、配当金等の権益性投資収益について、外国企業が国外で実際に納付した所得税額のうち当該所得が負担する部分は、当該居住者企業の控除可能な国外所得税額として、本法第23 条に規定する控除限度額の範囲内で控除することができる。

【第4章 税収優遇措置】

第25 条

国家は重点的に支援および発展を奨励する産業とプロジェクトに対し、企業所得税の優遇措置を与える。

第26条

企業の以下の収入は免税収入とする。
(1)国債利息収入
(2)条件に合致する居住者企業間の株式利子、配当金等の権益性投資収益
(3)中国国内に機構・場所を設立している非居住者企業が居住者企業から取得した、当該機構・場所と実質的に関連する株式利子、配当金等の権益性投資収益
(4)条件に合致する非営利組織の収入

第27条

企業の以下の所得に対し、企業所得税を免除、軽減することができる。
(1)農、林、牧、漁業に従事して得る所得
(2)国家が重点的に支援するインフラストラクチャープロジェクトの投資経営に従事して得る所得
(3)条件に合致する環境保護、省エネルギー、節水プロジェクトに従事して得る所得
(4)条件に合致する技術譲渡による所得
(5)本法第3 条第3 項に規定する所得

第28条

条件に合致する小規模低利益企業は20%の軽減税率により企業所得税を徴収する。
国家が重点的に支援する必要のあるハイテク企業は15%の軽減税率により企業所得税を徴収する。

第29条

民族自治地方の自治機関は、本民族自治地方の企業が納付すべき企業所得税のうち地方に帰属する部分について、軽減或いは免除を決定することができる。自治州、自治県が軽減或いは免除を決定する場合は、省、自治区、直轄市人民政府の認可を得なければならない。

第30条

企業の以下の支出は、課税所得額の計算時に追加控除することができる。
(1)新技術、新製品、新工程の開発により生じる研究開発費用
(2)障害者および国家が雇用を奨励するその他の従業員を雇用し、支給する給与

第31条

ベンチャー投資企業が、国家が重点的に支援、奨励する必要のあるベンチャー投資に従事する場合、投資額の一定割合を課税所得額から控除することができる。

第32条

企業の固定資産について、技術の進歩等の理由により、加速減価償却を行う必要がある場合、減価償却年数を短縮し、或いは加速減価償却の方法を採用することができる。

第33条 企業が資源を総合的に利用し、国家産業政策の規定に合致する製品を生産することにより取得した収入は、課税所得額の計算時に収入を減額することができる。
第34条 企業が購入した環境保護、省エネルギー、節水、安全生産等の専用設備の投資額は、その一定割合を税額から控除することができる。

第35条

本法に規定する税収優遇措置の具体的な方法は、国務院が規定する。

第36条

国民経済と社会発展の必要に基づき、或いは突発的な事件等の原因により企業の経営活動に重大な影響を与える場合、国務院は企業所得税の特別優遇措置を制定することができ、全国人民代表大会常務委員会に届け出るものとする。


【第5章 源泉徴収】

第37条

非居住者企業が取得する本法第3 条第3 項に規定する所得の納付すべき所得税に対しては、源泉徴収を実行し、支払者を源泉徴収義務者とする。税金は源泉徴収義務者が毎回の支払時或いは支払期限の到来時に、支払額もしくは支払うべき金額から源泉徴収する。

第38条

非居住者企業が中国国内で取得する工事作業と役務所得の納付すべき所得税に対しては、税務機関が工事代金或いは役務報酬の支払者を源泉徴収義務者に指定することができる。

第39条

本法第37条、第38条の規定に基づき源泉徴収すべき所得税について、源泉徴収義務者が法に基づき源泉徴収していないか、或いは源泉徴収義務を履行できない場合は、納税者が当該所得の発生地で納付する。納税者が法に基づき納付しない場合、税務機関は当該納税者の中国国内におけるその他の収入項目の支払者が支払うべき金額の中から、当該納税者が納付すべき税金を追徴することができる。

第40条

源泉徴収義務者が毎回源泉徴収する税金は、源泉徴収日から7 日以内に国庫に納めるとともに、所在地の税務機関へ企業所得税源泉徴収申告表を提出しなければならない。

【第6章 特別納税調整】

第41条

企業とその関連者の間の取引が、独立取引の原則に合致しておらず、企業或いは関連者の課税収入または所得額を減少させた場合、税務機関は合理的な方法により調整を行う権限を有する。
企業とその関連者が共同で開発したか、譲渡を受けた無形資産、或いは共同で提供したか、提供を受けた役務により発生した原価は、課税所得額を計算する際に、独立取引の原則に基づいて配賦しなければならない。

第42条

企業は税務機関にその関連者との取引に関する価格決定原則と計算方法を提出し、税務機関と企業が協議し、確認を行った後、事前確認協議を締結することができる。

第43条

企業は税務機関に年度企業所得税申告表を提出する際、その関連者との取引について、年度関連者間取引報告表を合わせて提出しなければならない。
税務機関が関連者間取引の調査を行う際、企業およびその関連者並びに関連者間取引に関わるその他の企業は、規定に従い関連資料を提出しなければならない。

第44条

企業がその関連者との取引に関する資料を提出せず、或いは虚偽、不完全な資料を提出し、その関連者間取引の状況を真実に反映していない場合、税務機関は法に基づき、その課税所得額を査定する権限を有する。

第45条

居住者企業、或いは居住者企業と中国居住者が支配する、実際の税負担が本法第4条第1項に規定する税率の水準より明らかに低い国家(地域)に設立された企業が、合理的な経営上の必要によらずに利益配当を行わないか、或いは利益配当を減額した場合には、上述の利益のうち当該居住者企業に帰属する部分を、当該居住者企業の当期の収入に計上しなければならない。

第46条

企業がその関連者から受入れた債権性投資および権益性投資の割合が規定の基準を上回ることにより発生した利息支出は、課税所得額を計算する際に控除してはならない。

第47条

企業がその他の合理的な商業目的のない計画を実施し、課税収入或いは所得額を減少させた場合、税務機関は合理的な方法により調整を行う権限を有する。

第48条 税務機関が本章の規定に基づき納税調整を行い、税金を追徴する必要がある場合、税金を追徴するとともに、国務院の規定に基づき利息を徴収しなければならない。

【第7章 徴収管理】

第49条

企業所得税の徴収管理は、本法の規定のほか、『中華人民共和国税収徴収管理法』の規定に従うものとする。

第50条

税収法律、行政法規に別途規定がある場合を除き、居住者企業は企業の登録地を納税地とする。但し、登録地が国外である場合、実際の管理機構の所在地を納税地とする。
居住者企業が中国国内に法人格を有しない営業機構を設立する場合は、企業所得税を一括で計算し、納付しなければならない。

第51条

非居住者企業が本法第3 条第2 項に定める所得を取得した場合、機構・場所の所在地を納税地とする。非居住者企業が中国国内に2 ヶ所以上の機構・場所を設立している場合、税務機関の審査認可を経て、主たる機構・場所が企業所得税を一括納付することを選択できる。
非居住者企業が本法第3 条第3 項に定める所得を取得した場合、源泉徴収義務者の所在地を納税地とする。

第52条

国務院が別途規定する場合を除き、企業間で企業所得税を合算納付してはならない。

第53条

企業所得税は納税年度ごとに計算する。納税年度は西暦の1 月1 日から12 月31 日までとする。
企業が1 納税年度の途中で開業、或いは経営活動を終了させ、当該納税年度の実際の経営期間が12 ヶ月に満たない場合は、実際の経営期間を1 納税年度としなければならない。
企業が法に基づき清算する際は、清算期間を1 納税年度としなければならない。

第54 条

企業所得税は月ごと或いは4 半期ごとに仮納付する。
企業は月或いは4 半期の終了日から15 日以内に、税務機関に仮納付企業所得税納税申告表を提出し、税金を仮納付しなければならない。
企業は年度終了日から5 ヶ月以内に、税務機関に年度企業所得税納税申告表を提出し、確定申告を行い、納付すべき税額、還付すべき税額を精算しなければならない。
企業は企業所得税納税申告表を提出する際に、規定に基づき、財務会計報告およびその他の関連資料を合わせて提出しなければならない。

第55条

企業が年度の途中で経営活動を終了する場合、実際の経営終了日から60 日以内に、税務機関で当期の企業所得税の確定申告を行わなければならない。
企業は抹消登記手続きを行う前に、その清算所得を税務機関に申告し、かつ法に基づき企業所得税を納付しなければならない。

第56条

本法に基づき納付する企業所得税は、人民元をもって計算する。所得を人民元以外の通貨で計算する場合、人民元に換算して税金を計算し納付しなければならない。

【第8章 附則】

第57条

本法の公布前までに設立を認可された企業が、当時の税収法律、行政法規の規定に基づいて軽減税率の優遇措置の適用を受ける場合は、国務院の規定に基づき、本法施行後5 年以内に、段階的に本法の規定する税率に移行することができる。期間減免税の優遇措置の適用を受ける場合は、国務院の規定に基づき、本法施行後も引き続き期間満了まで優遇措置の適用を受けることができる。但し、未だ利益がなく優遇措置の適用を受けていない場合には、優遇措置の期間は本法の施行年度から計算するものとする。
法律により設置された対外経済協力と技術交流を発展させるための特定地域、および国務院が既に上述の地域の特別政策を適用することを規定した地域内に新たに設立された、国家が重点的に支援する必要のあるハイテク企業は、過渡的な優遇措置の適用を受けることができ、具体的な方法は国務院が規定する。
国家が既に決定したその他の奨励類企業は、国務院の規定に基づき減免税の優遇措置の適用を受けることができる。

第58条

中華人民共和国政府と外国政府が締結した租税に関する協定に本法と異なる規定がある場合は、協定の規定に基づき処理する。

第59 条

国務院は本法に基づき実施条例を制定する。

第60 条

本法は2008年1月1日より施行する。1991 年4月9日に第七回全国人民代表大会第四次会議において採択された『中華人民共和国外商投資企業および外国企業所得税法』と1993年12月13 日に国務院が発布した『中華人民共和国企業所得税暫定条例』は同時に廃止する。

 

                           中華人民共和国企業所得税法実施条例

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                              中華人民共和国外資企業法

1986年4月12日、第6期全人代第4回会議で採択

2000年10月31日、第9期全人代常務委員会第18回会議の決定に基づいて修正

第一条 対外的な経済協力と技術交流を拡大し、中国経済の発展を促すため、中華人民共和国は外国企業とその他の経済組織又は個人(以下「外国投資家」という)が、中国内で外資企業を設立することを認め、外資企業の適法な権益を保護する。

第二条 この法律でいう外資企業とは、中国の関係法律によって中国内に設立された外国投資家の全額出資企業を指し、外国企業とその他経済組織の中国内における分支機構は含まない。

第三条 設立される外資企業は、中国経済の発展に役立つものでなければならない。国は製品を輸出または技術的に先進的な外資企業の設立を奨励する。国が外資企業の設立を禁止または制限する業種は、国務院が定めることとする。

第四条 外国投資家の中国内における出資、利益とその他の適法な権益は、中国の法律の保護を受ける。外資企業は中国の法律・法規を順守しなければならず、中国の一般公共の利益を損なってはならない。

第五条 国は外資企業の国有化と接収を行わない。特別な状況下では、一般公共の必要に基づいて、法律上の手続きに従い、かつ相応の補償を行い、外資企業を接収することができる。

第六条 外資企業設立の申請は、国務院の対外経済貿易主管官庁または国務院が権限を与えた機関が審査・認可する。審査・認可機関は、申請を受けた日から90日以内に認可または不認可を決定するものとする。

第七条 外資企業設立の申請が認可された後、外国投資家は認可証書を受け取った日から30日以内に、工商行政管理機関に企業登記を申請し、営業免許を受け取るものとする。外資企業の営業免許書交付日を、当該企業の設立日とする。

第八条 外資企業は、中国の法律による法人の条件に関する規定に適合する場合、法により中国の法人資格を取得する。

第九条 外資企業は、審査・認可機関が認可した期間内において中国内で出資するものとする。期間を過ぎても出資しない場合は、通商行政管理機関はその営業免許を取り消す権限を有する。通商行政管理機関は、外資企業の出資状況について検査及び監督を行うこととする。

第十条 外資企業の分離、合併とその他重要事項の変更については、審査認可機関の認可を受け、かつ通商行政管理機関で変更登記の手続きをしなければならない。

第十一条 外資企業は認可された定款によって経営管理活動を行い、干渉を受けない。

第十二条 外資企業は中国人従業員を雇用するときは、法によって契約を結ばなければならない。契約の中に雇用、解雇、報酬、福利、労働保護、労働保険などの事項を明記するものとする。

第十三条 外資企業の従業員は法によって労働組合を設立し、労働組合活動を行い、従業員の適法な権益を守る。外資企業は当該企業の労働組合に必要な活動条件を与えるものとする。

第十四条 外資企業は中国内に会計帳簿を設置し、独立採算制をとり、規定に従って財務諸表を提出し、かつ財政・税務機関の監督を受けなければならない。外資企業が中国内における会計帳簿の設置を拒否した場合には、財政・税務機関は罰金を課することができ、工商行政管理機関は営業停止を命じまたは営業免許を取り消すことができる。

第十五条 外資企業が認可を得た経営範囲内で必要とする原材料、燃料などの物資は、公平性、合理性の原則に従って、国内市場または国際市場で購入することができる。

第十六条 外資企業の各保険は、中国内の保険会社に付保するものとする。

第十七条 外資企業は国の関係租税規定によって納税し、かつ減税、免税の優遇を受けることができる。外資企業は所得税納付後の利益を中国内に再投資する場合、国の規定により再投資部分の納付済み所得税の還付を申請することができる。

第十八条 外資企業の外国為替事務は、国の外国為替管理規定によって処理する。外資企業は中国銀行又は国の外国為替管理機関が指定する銀行に口座を開設するものとする。

第十九条 外国投資家が投資した外資企業から得た適法な利益およびその他の適法な所得及び清算後の資金は、国外に送金することができる。外資企業で働く外国籍従業員の賃金所得およびその他の正当な所得は、法により個人所得税を納付した後、国外に送金することができる。

第二十条 外資企業の経営期間は外国投資家が申告し、審査・認可機関が認可する。期間が満了し、延長が必要な場合には、期間満了180日前に審査・認可機関に申請を出すものとする。審査・認可機関は申請を受けた日から30日以内に認可または不認可を決定するものとする。

第二十一条 外資企業が廃業するときは、遅滞なく公告し、法定手続きに従って清算するものとする。清算が完了するまでは、清算のための場合を除いて、外国投資家は企業財産を処分してはならない。

第二十二条 外資企業が廃業するときは、工商行政管理機関で抹消登記の手続きをし、営業免許を返納するものとする。

第二十三条 国務院の対外経済貿易主務官庁は、この法律に基づいて実施細則を定め、国務院の承認を受けて施行する。

第二十四条 この法律は公布の日から施行する。

 

                              中華人民共和国労働契約法

 

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